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~現役弁理士が語る知財の眼と芽~
知財の優先順位
この間のブログでは、とある中小企業が、資金繰りが厳しいために、外国出願の補助金を辞退したと書きました。

ただし、資金繰りは厳しいですが、超重要な特許に関しては、私が経営者に直談判する等して出願を継続して行っています。

完全にノウハウで保護できるならともかく、製品が形になる以上は何らかの面で特許取得が可能であり、権利なしでは効果的に参入障壁が築けないからです。

一方、それなりの規模のメーカーであっても、不況になった途端に出願をストップする中小企業も多いようです。

何のためらいもなく特許の経費を削減している様子を見ていると、現在の事業に特許が役に立っていないか、仮に役に立っていても気づいていないのだろうかと思います。

まー、実際に役に立ってないなら、出願数が減ったところで将来的に状況は変わらないのでしょうが。。。

だったらいっそのこと出願などやめて、優先順位の高い他のことに資源を集中すべきと思ってしまいます。

ただ、個人的には、中小企業であってもものづくりをしている以上は、知財の優先順位は比較的高く設定しておくべきと思います。

よほどうまいビジネスモデルでもなければ、自社の優位性を築けないと思うのですがね。


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中小企業の資金繰り
先日、外国出願の補助金交付の決定のお知らせがきたのですが…

その後、補助金については辞退することになってしまいました。

その理由は、資金繰り。

その中小企業では、資金調達の見込みがあったのですが、調達に手間取ってしまい、しばらくの間、厳しい資金繰りを強いられそうです。

従って、減額されるとはいえ、現時点で外国出願に資金を割けなくなってしまいました。

ただ、その特許は、新たに展開する事業のキモの部分であるので、資金調達の目処が立ちしだい外国出願するそうです。

私がアドバイスするまでもなく、特許取得が事業上極めて大きな意味を持つことを経営者も認識しており、その点については少し安心(?)しました。

PCTの各国移行期限までに資金が調達されることを祈るばかりです。


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中小企業支援の問題点
先日、とある中小企業で打ち合わせをしていたところ…

明らかに進歩性のない発明にもかかわらず、強硬に特許出願をすべきと主張する技術者がおられました。

その方は、大企業出身、50代半ばくらいで、過去に勤務していた会社では大量の防衛出願をしてきたそうです。

結局、その発明は出願しても防衛的な機能すら発揮しそうもなかったので、私からその点を説明して出願しないことになりました。

でも、帰りの電車で私の中に違和感が。

出願しないということは、今月の事務所の売上が減ったということです(笑)

短期的とはいえ、今月赤字になる可能性も出てきました(涙)

これって、中小企業の支援の難しさの一つですよね。

弁理士事務所の一般的な報酬体系は、出願書類の作成が大前提であり、出願しない限りは事務所は収入を得られません。

しかし、中小企業支援の場合、出願書類の作成そのものよりも、どのような内容のものをどのように出願していくのか、あるいは出願せずに秘匿するのかという判断を、事業戦略と絡めて行うことが重要だと思います。

一般的な報酬体系だと、事務所の利益だけ考えれば、出願ばかり勧めることになってしまいますよね。

私は、中小企業の支援をメインにやっていくつもりですので、出願に依存しない利益モデルを構築しなければと感じました。

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特許事務所経営の47歳、二児の父親です。

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